俺ドラ

これは夢のお話。


青いスパイダーに乗っていて
楽しいドライブをしている。
素敵な日々を過ごしている。


ある夕方、
ちょっとした渋滞の中、
前を走るベージュのココア(ダイハツ)が
反対車線のショップに入る為右折した。
しかし、駐車スペースの入口に歩行者が居るため
入りきれず反対車線にはみ出たままの状態。

そこへ大型トラックが走ってきた。
あのスピードじゃ、絶対止まりきれない。
ココアとぶつかる。

ココアのリアウインドウには
「赤ちゃんが乗っています」ステッカー。


少し考えて、
スパイダーは
トラックとココアの間に入り込みました。

衝撃の後、
飛び散るスパイダー。
青い部品が目の前を通り過ぎてゆきます。
自分自身も飛んでいます。
こういうシーンは
やはりスローなんでしょうか？


アスファルトに叩きつけられると
時間の経過が普通に戻りました。

少しの静寂の後
ざわめく音が聞こえます。
自分の目には
とりあえず生きているトラックのおじさんが見えます。
「救急車！」と、誰かが叫んでいます。

人が集まってきました。

後方のココアの運転席から
若いお母さんが出てきて言い放ちました。

「こんな車乗って無謀な運転して、ホント迷惑よね」

あぁ、かばったのわかってないのか。


周りの人も、そんな目で見ています。


そんなもんか。
まぁ、そんな感じだよな。


そこへひとりの女性が近づいてきました。
「すぐに救急車きますから、しっかり！」


もうアスファルト血の海だし、駄目だろうな。
この人に最期の一言でも喋っておこうかな。

「Tシャツがめくれて、お腹が出ちゃってるから
なおしてもらっていいですか？」

・・・


間もなく救急車が来て
運ばれてる途中、
ココアの後部座席のチャイルドシートから
ずっとこちらを見ていたであろう男の子と
目があった。

君はいつか
この事故の真相に気付くだろうか…。



あ、
意識消えた。